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メッキ加工技術 |
部品は機器の精密化・高級化に伴い接触抵抗の信頼性を要求されてきている。表面の貴金属( Au )はコストダウンをはかる意味で0.1um〜0.2umの薄膜にして、それと同等以上の特性を持つ部品の開発を目的としているのが現状である。
しかし、表面のメッキ層が多くのピンホールを増すようになるから異種金属の対向による接触電位差の原因で下地の貴金属表面への拡散及び酸化膜などの絶縁物が生じ、接触抵抗の不安定を呼ぶようになってきている現状を掲げることができる。
[対応のポイント]
1.下地金属の拡散性−イオンマイグレーションの低下
2.表面の滑性−摩擦係数の低下
3.接触抵抗の安定性−信頼性
4.加工性−生産性と ”ヌレ” , レベリング性
5.非磁性−高周波歪の抑制
6.その他
即ちピンホールは2um以下の電気メッキでは本質的に除去することは出来ないので下地の金属系と有機系により表面エネルギーを小さくして滑性と防錆を付与する性能改善が効果的である。要するにピンホールに吸着しやすい極性分子構造がすぐれている。
有機系封孔処理剤の極性基の付着メカニズム |
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ドライアルファーの使用と効果 |
特 徴
*簡単・確実で優れた効果が期待できます。(溶剤も各種選択可能です)
*ドライアルファはコネクターなどの挿抜力を低減させ、同時に磨耗も抑制します。
*金メッキなどのピンホール腐食の防止、初期生成化合物の防止、銀製品の変色防止などに
安定した効果、及び強力な抑制力があります。
*処理後の皮膜は経年的に安定しており長期にわたって効果が持続いたします、また
処理後の製品は未処理のものと比較して日にちが経てばたつほど性能に差が現れます。
*処理後の皮膜はプラスチックスを侵しません。(D12HTは除く)
*濃度管理が簡単で処理コストもひびきません。
*フレッテイングコロージョンを防ぐ為、スズめっき材料にもご使用をお奨めいたします。
*処理後はハンダ付け性に影響無く、酸化及び硫化を防止し耐湿性も向上いたします。
使 用
*生産ラインでご使用の場合は不純物を除去できるろ過装置を併用してください。
*常温で数秒以上ディップ又はスプレイ後、温風エアーナイフ等で溶剤をとばします。
(尚、乾燥時間及び温度により若干赤みが増加しますが性能には一切関係ありません)
*使用目的に応じて×3〜×4位で希釈使用して下さい。↓
*銀製品にD1S系処理をする場合、高濃度で処理を行いますと未反応成分に紫外線が作用
する場合がありますので低濃度で処理をするか、又は処理後IPA等で軽洗浄します。
*いづれの溶剤であっても直火の近くで使用しないでください。
*処理後の効果はメッキ条件、種類等によって違いますので、商品化の際には一連の
環境試験等でご評価ください。(弊社にご相談いただけましたら幸いです)
そのほか
*溶剤タイプの濃度管理をする際、加熱による重量測定管理が簡単で適切かと思われます。
(アルミシャーレイなどに10g位計量し、オーブン等で溶剤のみ蒸発させた後の残留物を再計量します)
*液自体が長期保管や紫外線の影響で赤みが出る場合がありますが性能には一切影響は
ありません。
*溶剤により塩化ビニール製の配管部品を侵すものがありますのでご注意ください。
*溶剤により以下の商品がございますのでご検討お願いします。
*E,B,Mタイプは本剤1(重量比)に対して約×4で基本処理液濃度が0.5%wtになり(製品1:溶剤3)
P,Hタイプは本剤1(重量比)に対して約×2.6〜×2.8で基本処理液濃度が1%になります。
商 品 名 |
溶 剤 |
希 釈 溶 剤 |
D1S20E
D1S20P
D1S20B
D1S20M
E1Sシリーズ
S1シリーズ
SAシリーズ
D1SWG |
トリクロルエチレン
イソパラフィン
プロピルブロマイド
塩化メチレン
上記溶剤に適用
イソパラフィン
イソパラフィン
エマルジョンタイプ |
トリクロルエチレン
イソパラフィン,IPA
プロピルブロマイド
塩化メチレン
IPA,イソパラフィン
IPA、イソパラフィン他
純水 |
参考:D1S20Pの希釈溶剤としてIPAも可能ではございますが水分が混ざり易いので処理前に充分乾燥された状態で処理槽に移して下さい。又、他の溶剤タイプもご用意できますのであわせてご相談およびご用命いただけますようお願い申し上げます。
姉妹品:S1シリーズ(D1S系より更に良い滑性を持っていますので銀、スズ、ニッケル薄付け金メッキなどにお使い下さい、又処理後の色調変化が少ないのも特徴です。)
SAシリーズ(強力ドライタイプの変色防止剤で銀、スズその他に使用でき優れた滑性を持っています。D0S(D1Sより銀に優れています)
アルファミスト(スプレイタイプでD1Sと略同一の特性を持っています)
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コネクターの微摺動摩耗による接触不良−無機系と有機系の差 |
コネクターはフレッティングと呼ぶ小さな振幅の周期的反復運動によって接触抵抗の増大が生ずる。
この主な原因は酸化物による溜った摩耗粉によって起きている訳で、このプロセスを一般にフレッティングコロージョン ” 微摺動摩耗腐食 ” と呼んでいる。
封孔処理剤は単にピンホールを密封するだけでなく摩耗の発生を防止する効果が必要であり、そこから得られる重要なメカニズムを掲げるならば第一に摩耗の減少、第二にセルフクリーニングとコンタクト表面から酸化物を含む摩耗粉を洗い落とすことである。
そして最も重要なことは表面から酸素を追い出す働きがあることであって、これによって摩耗粉と表面の酸化作用を防止していることである。この点がドライ型とウエット型の封孔処理剤の違いであって完全なドライ型は寿命が短いと言える。
使用選択表
※メッキ仕様、種類などにより結果は違ってきますのであくまでご参考まで
詳しくは担当者までお問い合わせください。
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